REGENERATIVE MEDICINE
MSC
MSC(間葉系幹細胞)とは?
MSC(間葉系幹細胞)は、脂肪や骨髄、臍帯などに存在する幹細胞の一種です。骨・軟骨・脂肪などの細胞に分化する能力を持つほか、さまざまな生理活性物質を分泌し、周囲の細胞の働きを支える性質があることが知られています。特に、炎症を調整する作用や、組織の修復環境を整える作用については、国内外で研究が進められています。
当グループでは、患者さまご本人の脂肪から採取したMSCを、自社の細胞培養加工施設で培養しています。培養には牛胎児血清(FBS)を使用せず、ご本人の血清または無血清培地を用いています。治療は再生医療等安全性確保法に基づく手続きを経て提供しています。
主な効果の報告
MSC × 糖尿病
2型(臍帯MSCの二重盲検試験・91名): 「HbA1c 7%未満、かつインスリン半分以下」を達成した人は、MSC群20%、プラセボ群4.55%でした。インスリンの減量率は27.8%対15.6%です。
2型(複数試験のメタ解析): HbA1cは約1.0〜1.45ポイント下がっています。
1型(発症して間もない時期): 複数のランダム化比較試験で、自前のインスリン分泌(Cペプチド)が保たれる、または増えるという結果が出ています。
限界: 効果が半年ほどで元に戻った例があります。長期のデータはまだ少ないです。
MSC × その他
フレイル(虚弱、平均75歳): 歩行距離、身体機能、肺機能が改善し、炎症の指標(TNF-α)も下がりました。
膝の痛み: 28件の試験のまとめで、12か月まで痛みが軽くなっています。
日本での承認: GVHD(テムセル)と脊髄損傷(ステミラック、条件・期限付き)の2つです。
免疫細胞療法
肝がんの手術後(日本の試験、Lancet 2000): 再発が約41%減り、再発しない期間が1年以上延びました。ただし全体の生存期間には差が出ていません。
肺がん: 抗がん剤にDC-CIKを併用すると、2年生存率が抗がん剤単独の1.37倍になりました。
NK細胞療法: 肝がんで奏効率72%という報告がありますが、局所治療と併用した場合です。
限界: 効果の報告は、ほとんどが標準治療と組み合わせた場合です。
iPS細胞培養上清液
皮膚: 細胞実験で、コラーゲンが増え、コラーゲンを壊す酵素が減り、老化のマーカーが下がりました。
肺・肝臓: 動物実験で、線維化(組織が硬くなること)が改善しています。
糖尿病の再生医療
当院では、糖尿病に対する再生医療として、患者様ご自身の脂肪から採取した幹細胞を培養し、点滴で体に戻す「自己脂肪由来間葉系幹細胞(MSC)治療」を行っています。さらに、細胞が出す成長因子やエクソソームを含む「iPS細胞培養上清液」を組み合わせ、お一人おひとりの状態に合わせた治療プランをご提案します。
細胞の培養は牛胎児血清(FBS)を使わずに行い、厚生労働省へ提出した再生医療等提供計画(第二種)にもとづいて、安全性に配慮した体制で提供しています。年度実績の治療経験をもとに、血糖値だけでなく、血管・腎臓・神経など全身の状態にも目を配りながら、長く付き合う糖尿病を総合的にサポートします。
今の糖尿病治療と、再生医療が担う役割
糖尿病の治療は、食事や運動などの生活習慣の見直しに加え、飲み薬、インスリン注射、GLP-1受容体作動薬などで血糖値をコントロールするのが基本です。これらは血糖値を安定させ、合併症を防ぐために欠かせない治療です。
ただし、薬の主な役割は「上がった血糖値を下げる」ことです。インスリンを出す膵臓のβ細胞は、年齢や病気の進行とともに少しずつ弱っていきます。そのため、時間がたつにつれて薬の種類や量が増えていくことも少なくありません。
再生医療は、この「血糖値が上がりやすい体の状態」そのものに働きかけることを目指す治療です。幹細胞が出すさまざまな物質には、
- 体の中でくすぶる慢性的な炎症を鎮める
- インスリンを出すβ細胞を守る
- 傷んだ血管や組織の修復を支える
といった働きがあると考えられています。
海外の臨床研究では、幹細胞治療のあとにHbA1c(過去1〜2か月の血糖の平均を示す数値)が平均約1ポイント下がった、インスリンの量を減らせた方の割合が増えた、といった報告も出ています。当院では、こうした研究成果をふまえ、インスリンや飲み薬の量を減らせる状態を目指して治療を行います。
合併症への取り組み
糖尿病で本当に怖いのは、高い血糖値が長く続くことで全身の血管や神経が傷み、動脈硬化・腎症・神経障害・EDなどの合併症につながることです。動脈硬化が進むと、心筋梗塞や脳梗塞のリスクも高まります。
幹細胞には血管の新生や組織の修復を支える働きがあることから、合併症への応用についても研究が進められています。当院では合併症のお悩みもあわせてご相談いただき、必要に応じて専門の医療機関と連携しながら、全身の健康を長期的に支えていきます。
※現在の糖尿病治療は継続したうえで受けていただく治療です。お薬の調整は主治医の判断のもとで行います。
※効果には個人差があります。自由診療(保険適用外)です。料金・回数・リスクについては【料金ページへのリンク】をご覧ください。